リモートワーク時代に必要な「心理的資本®マネジメント」:自律的に成長するためのメンタルアップデート法

ウェブ会議 心理的資本ing

「心理的資本開発指導士 PsyCap Master」のホリシンです。

今回はリモートワークと「心理的資本®」の関係についてです。

リモートワークがデフォルトなら、メンタルマネジメントを変える必要がある

 

私自身は40年間の会社員生活でリモートワークを経験したことはありません。
最後の数年間でリモート会議を経験しただけです。
実際のリモートワークの感覚はわからないものの、共働きの娘夫婦を見ていると、
自宅で子どもたちがいる中で会議をしたり、料理をつくりながら企画書を作成したりする様子は、
私の時代には考えられなかった新しいワークスタイルであることは間違いありません。

現在では、リモートワークが多くの職場でデフォルトとなりつつあります。
そのこと自体を否定するつもりはありませんが、
リモート環境におけるコミュニケーションの質や、
人間としての成長の仕方には懸念を抱くことがあります。
特に若手社員においては、対面コミュニケーションの経験が少ないことから、
社会人としての「自律的行動」の不足が課題として浮き彫りになるケースが増えています。
例えば常に「指示待ち」の姿勢でしか仕事ができない・・・などなど。

あるIT企業の人事部長から、「リモートワークしか知らない若手社員が、
主体的な行動や深い対話を苦手としている」との相談を受け、
「心理的資本®(PsyCap)」の観点から若手社員向けのセミナーを実施した経験があります。

この経験を通じて、リモートワークの時代に必要な人材マネジメントとして
「心理的資本®マネジメント」という視点の重要性を強く感じました。
ここでは、このテーマについて掘り下げてみたいと思います。

「心理的資本®(PsyCap)」とは何か?

「心理的資本(PsyCap*)」とは、
経営学とポジティブ心理学の融合から生まれた比較的新しい概念で、
人が前向きに成長し、挑戦を乗り越える行動力を高めるための
「心のエンジン」と言われるものです。

*Psychological Capital

「心理的資本®」は以下の4つのリソースから構成されます。

  1. 「Hope」(希望、目標)
    明確な目標を持ち、その達成に向けたルートを見つける力。
  2. 「Efficacy」(効力感と自信)
    自分の能力を信じ、困難な課題にも自信を持って取り組む力。
  3. 「Resilience」(レジリエンス)
    挫折や困難から立ち直り、前に進む力。
  4. 「Optimism」(現実的な楽観性)
    良い結果を信じ、ポジティブな視点を持つ力。

この4つのリソースの頭文字をとって「HERO」と呼ばれます。

これらの「心理的資本®」を高めることで、社員一人ひとりの生産性だけでなく、
職場全体のエンゲージメントやパフォーマンスが向上することが研究で証明されています。

4つのリソース


リモートワークがもたらす課題

リモートワークには時間や場所に縛られない自由さがある一方で、
以下のような心理的な課題が生じやすいとされています:

  1. 孤立感の増加
    同僚とのカジュアルな対話が減り、孤立を感じやすい。
  2. 自己管理の難しさ
    オフィス環境に比べ、自律的に仕事を進めるスキルが求められる。
  3. フィードバック不足
    上司や同僚からのリアルタイムなフィードバックが減り、成長の機会が限られる。

これらの課題は、若手社員の「自律的行動」の育成を妨げる要因となる場合があります。


「心理的資本®マネジメント」によるメンタルのアップデート法

リモートワーク慣れした若手社員が、上記の課題を克服し、
自律的に成長するためには、「心理的資本®」を高めて
メンタルをポジティブにアップデートすることが必要です。

以下に具体的な方法を提案します:

「Hope」を育む:目標設定と進捗管理

  • 方法:SMARTな目標(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)を設定し、進捗を可視化するツールを活用。
  • 効果:達成感を得やすくなり、前向きな姿勢を保ちやすくなる。

「Efficacy」を高める:成功体験の積み重ね

  • 方法:タスクを小分けにして成功体験を積み重ねる。
    リーダーや同僚が適切に褒める文化を作る。
  • 効果:自己への信頼感が増し、困難な課題にも挑戦する意欲が湧く。

「Resilience」を鍛える:失敗から学ぶ機会を作る

  • 方法:職場に、失敗を「学びの機会」としてポジティブに捉える環境や文化を醸成する。
    失敗談を共有するミーティングの開催も有効。
  • 効果:精神的な柔軟性が育まれ、ストレス耐性が向上する。

「Optimism」を引き出す:ポジティブなコミュニケーション

  • 方法:チーム内で感謝を言葉にする場を設ける。
    オンライン会議でも、ポジティブな言葉で会話を締めくくる。
  • 効果:前向きな雰囲気がチーム全体に広がり、モチベーションが高まる。

「心理的資本®マネジメント」を職場文化に組み込むために

リアル会議

「心理的資本®」は、個々人の努力だけでなく、
職場全体の文化として育み「マネジメント」することが大切です。
以下の施策が有効です。

  • 「心理的資本®セミナー」の導入

「心理的資本®」の重要性を伝え、実践方法を学ぶ場を提供する。

  • 「心理的資本®」を可視化する評価指標の設定

希望や楽観性を数値化する簡易なチェックリストを定期的に実施する。

  • 上司の役割強化

若手社員の成長を促すフィードバックの仕組みを強化する。
特にリモート環境では、上司が意図的に接点を持つ努力が必要です。


まとめ:リモートワーク時代の成長を支えるインフラとしての「心理的資本®」

リモートワークの時代において、「心理的資本®」は
若手社員が自律的に成長するための「心の土台」となります。

また組織にとっては、「心理的資本®マネジメント」によって、
個人の生産性や幸福感を向上させるだけでなく、
職場全体のエンゲージメントを高める効果も期待できます。

これからの働き方において、「心理的資本®」が個人にとっても組織にとっても、
「強い心」を形成するための「インフラ」になるのではないでしょうか。

(ホリシン)

ポジティブな職場を作る方法:「心理的資本®マネジメント」でチームの力を最大化
モチベーションが低下した職場のメンタルをアップデートするには?「職場をもっとポジティブな空間にしたい」「チーム全員が生き生きと働き、個人のパフォーマンスも向上する環境を作りたい」そんな思いを抱く管理職の方は多いのではないでしょうか。私は35年間の広告会社でのキャリアの中で、10年間はコピーライター、そして25年間を営業職として過ごしました。 最後には営業局長として100人の大所帯を率いる立場になりましたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。特に、営業部長時代、営業局の中で最低の利益しか上げられず、辛酸をなめた1年間は今でも忘れられません。しかしそこから一旦はモチベーションが下がった時期もありましたが、チーム全員が腐ることなく前向きに自律的に行動し、3年後にリベンジを果たしました。その経験から学んだのは、いま思えば「心理的資本」と言われる4つの力を活用し、チーム全体のメンタルをポジティブにアップデートすることができたからだと感じています。そして、そのプロセスで得た最大の教訓は、焦らず、時間をかけてチームの基盤を作る「心理的資本マネジメント」の実践です。

「心理的資本」の基本はこちら↓

「心理的資本®」を始めよう!内なる「HERO」に出合うとき
「心理学」と「経営学」の融合から生まれた「心理的資本」を知ろう!最近「心理的資本」(Psychology Capital)という言葉をよく耳にするようになりました。略して「PsyCap」(サイキャップ)とも言われます。「Hope」「Efficacy」「Resilience」「Optimism」の4つのリソースが「心理的資本」の中身です。それぞれの頭文字をとって「HERO」と呼ばれます。「心理的資本」は「心理」という言葉が使われていますが、特に経営学や組織論の分野で見かけることが増えました。「人材マネジメント」や「キャリア形成」に欠かせない概念として注目されています。

 

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