新任管理職のみなさん、きょうからマインドセットを変えよう!

新任管理職 心理的資本ing
「心理的資本開発指導士 PsyCap Master」のホリシンです。

今回は「新任管理職」のみなさんに必要なマインドセットについてです。

 

昇格を次の成長につなげる「グロースマインドセット」×「心理的資本」

 

ChatGPT:昇格を成長のチャンスに変えるために

新任管理職のみなさん、昇格おめでとうございます。

新たな役職につくことは期待や喜びだけでなく、不安やプレッシャーも伴うものです。

私自身、入社20年目にようやく部長職に就いたとき、正直なところ同期との比較で「遅れている」と焦りを感じていました。

しかしいま振り返ると、あのときの焦りは全く無用だったと断言できます。

そして「グロースマインドセット」や「心理的資本」という考え方を知っていれば、もっとポジティブにこの変化を捉えられたのではないかとも思います。

今回は、新任管理職の皆さんが昇格を「成長のチャンス」として捉え、前向きに行動を起こせるよう、「グロースマインドセット」と「心理的資本」の活用について考察します。

「グロースマインドセット」とは「成長を信じる力」

2006年にスタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック(Carol Dweck)が発表した「グロースマインドセット(Growth Mindset)」は、人の能力や知性が固定されたものではなく、努力や学習を通じて成長できると信じる「心構え=マインドセット」のことです。

マインドセット

この考え方は、教育やキャリア開発、自己啓発の分野で広く注目されています。

この「グロースマインドセット」を持つと、失敗や困難に対して次のように捉え直せます。

  • 失敗は成長の機会:「自分にはまだ学ぶべきことがある」と前向きに捉える。
  • 挑戦は自己成長の場:「新しい役職だからこそ得られる学びがある」と考える。

例えば、新任管理職として初めてチームメンバーを指導する場面では「失敗したらどうしよう」と恐れるのではなく「失敗も含めて成長の一部」と思うことができます。

「グロースマインドセット」の特徴

「グロースマインドセット」は一見ネガティブに思える場面でも、思考をポジティブにスイッチすることができます。

  1. 成長への信念
    知性や能力は生まれつきではなく、努力や経験によって伸ばせると考えます。

  2. 挑戦を歓迎
    困難な課題を成長の機会として捉え、積極的に挑戦します。

  3. 失敗を学びの機会とする
    失敗やミスを「自分を向上させるためのフィードバック」として活用します。

  4. 他人の成功を喜ぶ
    同僚や後輩の成功を脅威と感じるのではなく、学びのヒントと捉えます。

「固定マインドセット」を切り替える

キャロル・ドゥエックは、固定的な考え方(Fixed Mindset)と対比させて「グロースマインドセット」を説明しています。

グロースマインドセット 固定マインドセット
能力の捉え方 努力次第で伸ばせる 生まれつき決まっている
失敗への態度 成長の糧として受け入れる 自分の限界と捉え、避けようとする
挑戦への姿勢 積極的に挑む 失敗を恐れて回避する
フィードバックの受け入れ 成長のための重要な情報と見る 個人攻撃と感じてしまう

「グロースマインドセット」の実生活での活用場面

「グロースマインドセット」はキャリア形成だけでなく、様々な生活シーンの中で「成長」に向けた心の変化をもたらす可能性を秘めています。

  1. 教育現場
    生徒が「自分は数学が苦手だからダメだ」と諦めるのではなく、「努力すれば上達する」と思える環境を作る。

  2. ビジネス
    社員が新しいスキルを学ぶ際、失敗を恐れず挑戦する文化を醸成することで、組織全体の成長を促す。

  3. 家庭
    子どもの失敗に対して叱るのではなく、「どこを改善すれば次は成功できるか」を一緒に考える。

「グロースマインドセット」の効果とは?

キャロル・ドゥエックの研究では、「グロースマインドセット」を持つ学生が、困難な課題に直面した際により高い成果を上げる傾向があることが確認されています。

必死に考える

また、「固定マインドセット」から「グロースマインドセット」に切り替えるための教育プログラムも効果的であるとされています。

この考え方は、学生や子どもだけでなく、大人や高齢者にとっても、自己成長を続けるための有益なフレームワークとして活用できます。

「心理的資本」:ポジティブな行動を支える力

もう一つのマインドセットが「心理的資本」(Psychological Capital)です。

「心理的資本」は、「Hope(希望、目標)」「Efficacy(効力感と自信)」「Resilience(乗り越える力)」「Optimism(現実的な楽観性)」という4つの要素から構成される、個人の内なる資源(リソース)です。

(「心理的資本」の詳細はページの最後を参照してください。)

この「心理的資本」を発揮できると、困難な状況にも柔軟に対応し、ポジティブな行動を起こしやすくなります。

つまり行動につなげる「心のエンジン」です。

例えば、次のような形で「心理的資本」が新任管理職に役立ちます。

  • 「Hope」:目標に向かって現実的な計画を立て、進み続ける力。
  • 「Efficacy」:新しい役割でも「やれる」と思える心の支え。
  • 「Resilience」:プレッシャーや失敗から立ち直る力。
  • 「Optimism」:将来に対して前向きなビジョンを描く力。

先輩に相談

これらの「心理的資本」はトレーニングや意識的な努力で高められると言われています。そして日々のアップデートが大切です。


昇格をチャンスに変えるマインドセットを!

最近は「管理職になりたくない」と考える人たちも多いと聞きます。でもせっかくの昇格を後ろ向きに捉えていては次のキャリアも見えてきません。

いままでと違う自分になるためにも「グロースマインドセット」と「心理的資本」を意識して新しいマインドセットをしませんか?

在宅ワーク

  1. 「今は成長の途中」と考える
    「グロースマインドセット」を取り入れ、「管理職としてのスキルはこれから磨いていくもの」と捉えましょう。経験豊富な先輩と自分を比較するのではなく、あくまで自分の成長にフォーカスすることが大切です。

  2. 「心理的資本」を意識してアップデートする

    • 「Hope」を小さく設定し、達成感を積み重ねることで「Efficacy」を高める。
    • 困難があっても「これも役職の一部」と考え、「Resilience」を強化する。
    • 「自分の選ばれた役割にはきっと意味がある」と「Optimism」を発揮する。

3.焦らないことの大切さ

私自身は20年目の昇格を遅いと感じて焦ってしまいしたが、今思えば、キャリアは人それぞれで「速さ」よりも「充実度」が大切だということがわかります。

昇格した時点からの努力と次の目標の立て方次第で、いくらでも新しい道を切り拓けることを覚えておいてください。


最後に:リーダーとしての10年後を描こう

そして新任管理職の皆さんには、ぜひ「10年後にどんなリーダーになりたいか」というビジョンを描いてほしいと思います。

「人的資本」から「心理的資本」へ:リーダーに求められる「人間力」の探求
「人的資本」と「社会関係資本」を高めるだけでは「スキルのある人」「人脈のある人」にはなれますが、「人間力のあるリーダー」にはなれません。例えば、技術や知識が豊富でも、挑戦を恐れる(自己効力感が低い)、失敗を過度に気にする(レジリエンスが低い)と、そのリーダーシップを発揮できません。またどんなに顔が広くても信頼されてなければ部下はついてきません。「心理的資本」を育むことで、「人的資本」と「社会関係資本」を最大限活かし、「人間力」にあふれたリーダー像が見えてきます。

その道のりは、決して平坦ではないでしょう。しかし「グロースマインドセット」を持ち、「心理的資本」をアップデートし続けることで、必ず次の成長と達成感を手にすることができます。

「焦らず、一歩ずつ」。自分の成長を信じて進みましょう。管理職から新しいキャリアが始まります。

<ホリシン>

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