「孫活」は「3世代の潤滑油」になるための祖父母のサポート活動
最近「孫フィーバー」という言葉をよく聞きます。
祖父母が孫を溺愛するあまり、過剰な行動に走って両親や孫に嫌がられたり迷惑をかけたりするケースがネット上で紹介されています。
「わざわざ会いに来たのよ、早く抱っこさせて」
「私のお金で孫に買ってあげて何が悪いの?」
「孫活」を祖父母の一方的な「孫愛」「孫サービス」と捉えると、こうした歪んだ行動が生まれるのではないでしょうか。
祖父母が時間とお金と体力を使って行うせっかくの「孫活」を、自分たちの自己満足だけで終わらせるのではなく、もう少し意味のある活動にしよう、というのがこの「孫活入門」の趣旨です。
「孫活」は「祖父母力」を上手に発揮することで、「3世代を笑顔でむすび、風通しの良い家族関係を築く」という素晴らしい効果が生まれます。
祖父母はあくまでも育児の脇役として、側面からサポートすることが大事なのです。
あの尾木ママも雑誌で「正しい孫育」という話をされています。
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「孫活」の意味を考える
「○○活」は「目的に向かう行動」のこと
「○○活」といえば「婚活」「就活」「終活」あたりが代表的ですね。
「婚活」は広辞苑にも出ていて「よい結婚相手を探すための活動。結婚活動の略。」となっています。
同じく「就活」は「就職活動の略」と書かれています。
一方「終活」は広辞苑にはなく、ウキペディアでは「人生の終わりのための活動」となっています。
いずれもそれぞれの人生の中で、ある「目的」に向かっていくための「個人の準備活動」を意味しています。
従ってそのプロセスを効率化する様々なビジネスが誕生しています。
では「孫活」はというと、ウキペディアにもまだ掲載はなく、いくつかのブログでその文脈に沿って定義されているだけです。
大まかには「祖父母が孫とかかわる活動全般」を指しているようですね。
「孫活」の目的は何か
では「孫活」の目的はなんでしょうか。
この「孫活の心得」では「孫活」をこのように位置づけました。
「孫活」は、孫の成長を楽しみに生きる祖父母の「3世代に対する精神的および経済的支援活動」。正しい「孫活」によって、孫と両親との信頼関係が生まれ「風通しの良い家族関係」が構築、維持されることを目的にする。
つまり他の「○○活」は基本的に自分自身のための活動ですが、「孫活」は祖父母自身のための活動ではなく、3世代のための活動なのです。
自分たちの自己満足に終わらせないような意識を持つことが大切です。
期待されている「祖父母力」
育児劇場の脇役になる
核家族化、働く女性の増加、地域コミュニティの希薄化などにより「日本の育児は孤立化している」といわれます。
そこで期待されているのが「祖父母力」。
但し、育児の先頭に立って旗を振り回す力ではありません。
「育児劇場」の主役は、当然「孫」です。
そして監督兼演出兼助演俳優がパパママです。
祖父母はあくまで「脇役」に徹して、主役の動きを見守りながら舞台がスムーズに進行するように上手にサポートをする「陰の存在」です。そしてそれが正しい「祖父母力」なのです。
「孫フィーバー」に陥らない
孫を溺愛するあまり、過剰な行動に走る「孫フィーバー」がネット上にあふれています。
どうやら義理の祖父母に多く見られる行動のようです。
特に初孫の出産直後に「孫フィーバー」され、ママが唖然とするケースが頻出しています。
「とにかく毎日のようにテレビ電話をしようと言ってくる 始めると30分以上続く」
「ババが孫の名前を決めたと言って筆で書いてきた」
「ジジが孫のオリジナルソングを作詞作曲、地域コミュニティで披露した」
「ジジババがそこらじゅうでうちの孫はかわいいと孫自慢をして近所から苦情が来た」
「連絡なしに突然会いに来てずっと抱っこしている」
「相談もなしに大きなひな壇をプレゼントされた」
「ババが孫に小学校の目の前のマンションを購入した」
「ババが孫とおそろいの服を買って着てきた」
こうした「孫フィーバー」は「孫活」の正しい理解が足りない祖父母に起こりがちな行動です。「祖父母力」の誤った使い方ともいえます。常に自分の行動をチェックしましょう。
「孫活」にはリスクもある
先日アメリカの科学誌「プロスワン」にスコットランドの大学と英国国民保健サービスの共同研究として、ショッキングな記事が掲載されました。
『祖父母と一緒に過ごす時間が長い子どもほど「がん発症リスク」が高い』
つまり祖父母たちの一般的な行動(孫活)が子どもの健康によくない場合があるということです。
その行動とは、
①食べ物を与えすぎる
②健康に悪い食べ物を与える
③テレビなどを長時間見ていること、動かないことを許す
祖父母は両親とよく話し合い、子どもの食事や運動、その他日常的な習慣について両親がどう考えているかを共有し理解する必要がありますね。
この記事の最後にはこう書かれていました。
『この記事を読んでいるあなたが「孫」の立場であるなら、おじいちゃんやおばあちゃんは、あめやテレビを見る時間であなたの愛を買おうとする一面があることに注意しておくことだ。それらはお断りして、代わりにお小遣いをもらっておいた方がいい。』
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孫活の心得5か条
「孫活の心得」はNPO法人「孫育て・ニッポン」が紹介している「孫育て10か条」を参考にさせていただいています。
但し、「孫活」は「孫育て10か条」の精神は尊重しつつ、「育てる」のではなく「3世代をハッピーにする」のが目的です。
「正しい孫活」は、祖父母の自己満足だけで完結させることなく、両親を含めた3世代がハッピーになるための活動として独自の「孫活の心得5か条」も設定しています。
こうした「チェックポイント」を常に意識しながら孫たちと交流することが大切ではないでしょうか。
<孫活の心得5か条>
1.孫活は孫との交流を通じて3世代を笑顔にするための行動
2.孫活を祖父母の自己満足で終わらせない
⇒孫たちも両親も満足したか意識する
3.孫活は「孫友」から始めよう
⇒年長者として教育者になってはいけない
⇒孫たちの個性を尊重する
4.孫活は孫育(て)ではない
⇒孫活はパパママの育児サポートが基本
⇒孫活は甘やかすことではない
5.孫活は自分のペースで自分も楽しむ
⇒孫のペースに合わせすぎないよう注意
孫活中の祖父母のみなさんは常に胸に手をあててこの「孫活の心得5か条」を復唱しましょう!
まとめ
私には娘が2人いて孫が3人います。
家族としては3家族が同じ沿線で暮らしています。
娘夫婦は両方とも共働きなので育児の時間がままならず日々苦労しています。
ババさんが食事を作って持って行ったりしています。
先日Mago1(男8歳)とMago2(女5歳)が我が家に泊まりにきました。
どうやら「お泊り」の練習らしいです。
夕方パパのクルマで自分の布団とパジャマとゲームを持って嬉しそうにやってきました。
パパママは、特にMago2がホームシックになるのではないかと心配しましたが全くそんなそぶりも見せず、翌日「ありがとう、またくるねー」と言って帰っていきました。
もちろんそれぞれ何時間かはゲームやトランプに付き合わされましたが、「孫活」としては無事に任務完了といったところでジジババもやれやれでした。
孫たちが帰った後、ババさんは「疲れたー」といってソファーに倒れこんでいましたが・・・
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今回改めて孫たちと間近で長時間一緒に過ごして改めて思ったのは、同じ親に育てられてもこんなに性格や人間性が違うんだなあということでした。
どんな風に成長していくのか想像もつきません。
もちろんこの孫たちを育ててきたのはパパママであり、そして彼らの将来に責任があるのもパパママなのです。
はっきり言ってジジババが彼らの将来に口を出せることはほとんどありません。
ときどき耳にする「孫育て」という言葉に少し抵抗があるのはこんなことがあったからかもしれません。
ジジババはそっと見守りながら、困ったときに主役と演出家をサポートする「脇役」に徹するべきなのです。「孫愛」から「家族愛」へ。それが正しい「孫活」の極意ですね。
(ほりしん)
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