育児とキャリアで悩んだら「心理的資本」に戻る~4つの力で「心を着地」させる

リモートワーク中のママと娘心理的資本ing

行き詰ったら選りすぐりの「心の力」をフル活用する

 

私と同年代の友人から聞いた話です。友人の娘さんは、40歳のワーキングママで2人の小学生の子どもがいます。2年前に大手の証券会社に転職し、いまは40人の部下を抱える営業開発部門の管理職として活躍しています。最近また昇進の話もあり順風満帆なキャリアを歩んでいましたが、半年前から小学4年生の男の子が不登校になってしまいました。彼女は自分の育児に割く時間が足りなかったことが原因だと考え、現在のポストを捨てて定時に帰れる職種に変わろうか迷ってるとのこと。しかしいまの仕事とキャリアにも未練はあるようです。相談を受けた友人も「旦那とよく相談しなさい」くらいしか言えず、父親として明確なアドバイスができない自分を責めている感じでした。こうしたキャリア上の様々な問題に対し、現実的な解決策を提示するのは確かに難しいですが、将来に向けてひとまず「心を着地させる」には「心理的資本」の考え方が役立つのではないでしょうか。

スーツの女性

育児とキャリアの両立は、多くのワーキングマザーにとって大きなテーマです。

特にハイポジションでキャリアを積みながら育児の課題に直面すると、どちらを優先すべきか悩む場面が必ず訪れます。

ここでは、「心理的資本開発指導士(PsyCap Master)」の立場から、「心理的資本(Psychological Capital)」と呼ばれる「心」の中でも選りすぐりの4つの「心の力」を活用して、「心の着地点」を見つける方法を考えてみたいと思います。

「心理的資本」を形成する要素(リソース)は「Hope(希望、目標)」「Efficacy(効力感と自信)」「Resilience(乗り越える力)」「Optimism(現実的な楽観性)」です。

4つのリソースの頭文字をとって「HERO」と呼ばれます。


Hope(希望、目標):長期的な視点で未来を描く

「Hope」は、目標に向かう意志(Will)と、その道筋(Way)を見つける力です。この力を育むことで、目の前の困難を乗り越え長期的な視点で物事を考える余裕が生まれます。

不登校の子どもを抱えたとき

子どもの不登校は、親にとって大きな衝撃です。

しかし、「今日明日のこと」だけでなく、「20年後の家族全体の未来像」を描いてみてください。

例えば、「子どもが自分で未来を選択できるようになる」「親子の信頼関係がずっと続く」など、家族としての「Hope」を再設定します。

次にその「Hope」にたどり着くための複数の道筋を考えます。

  • いますぐ仕事をセーブして育児の時間を増やす
  • 子どもとの会話時間を意識的に増やし信頼関係を深める
  • 専門家のサポートを受けながら少しずつ学校復帰を目指す

「Hope」を再設定することで、現状を受け入れつつ未来の可能性に目を向けられるようになります。

不登校も子どもの人生の一部だと考え、「これを乗り越えることで成長できる」と前向きに捉えることが大切ではないでしょうか。


「Efficacy(効力感と自信)」:小さな成功を積み重ねる

「Efficacy」とは「自分にはやれる力がある」と信じる力です。

この感覚を取り戻すことができれば、育児やキャリアに対して前向きに取り組むエネルギーが生まれます。

いまのキャリアに未練を感じるとき

現職での成功や昇進はこれまでの努力が認められた証です。

それだけにキャリアを手放すことに躊躇するのは当然のこと。

しかし「これまでの成功体験」を振り返り、それをどう活かすか考えてみましょう。

例えば、

  • 40人の部下をまとめた経験は新しいポジションでも必ず生きる
  • 管理職として培ったスキルは育児にも応用できる(例:リーダーシップ、コミュニケーション力)

また育児においても「小さな成功」を意識することは大切です。

  • 子どもと一緒に楽しい時間を過ごせた
  • 子どもが少しでもポジティブな反応を見せた

こうした日々の積み重ねが「私はやれる」という感覚を取り戻す鍵になります。


「Resilience(乗り越える力)」:困難から立ち直る力

「Resilience」は、困難に直面してもそこから立ち直る力です。

一度キャリアをリセットしたとしても、また復活できるという気持ちがあれば選択に後悔は生まれません。

残業No!

キャリアを一旦手放す選択をする

「いったんキャリアを後退させる」という選択は簡単ではありません。

しかしそれが自分や家族のために必要だと感じたら、その選択を肯定的に捉えましょう。

「Resilience」の視点から考えると、

  • いまは家庭を優先することで子どもとの信頼関係を築ける
  • 再びキャリアを進めるタイミングが来たとき過去の経験が大きな武器になる

逆境に立ち向かい再び立ち上がれる力を信じてください。

「いまは家庭を優先する時期」「また戻れる」という信念が心を支えてくれます。


「Optimism(現実的な楽観性)」:未来をポジティブに捉える

「Optimism」とは、現実的な希望に基づいて未来をポジティブに捉える力です。

困難な状況でも「良い方向に進む可能性がある」と信じることができます。

育児とキャリアの両立に悩むとき

例えば、不登校という状況はつらいものですが「この経験が子どもを強くするかもしれない」と考えると少し気持ちが軽くなるかもしれません。

また自分の選択に自信を持つことが重要です。

  • 「どの道を選んでも、それが正しい選択だったと思える未来がくる」
  • 「失敗ではなく新しい経験として受け止める」

「Optimism」の視点を持つことで、どんな状況でもポジティブな行動を取れるエネルギーが生まれます。


育児とキャリアに悩んだら「心理的資本」を思い出す

「心理的資本」の4つのリソース「HERO」を使うことで、いま抱える問題に対して自分なりの「心の着地点」を見つけることができるのではないでしょうか。

在宅ワーク

重要なのは、

  1. 希望を持ち、長期的な視点で未来を描く
  2. 自己効力感を高め、小さな成功を積み重ねる
  3. 回復力を信じ、一時的な選択を恐れない
  4. 楽観的に未来を捉え、行動を起こす

育児とキャリアの両立に悩むのは、それだけ一生懸命に生きている証拠でもあります。

選択に迷ったときは一度「心理的資本」をリセットし自分にとって納得できる道を見つけてください。

それが子どもにとっても自分にとっても幸せな未来につながるはずです。

(ホリシン)

私の「レジリエンス」の師匠である平野真理先生が共著になっている本です。「レジリエンスと養育」「レジリエンスとキャリア」についてのヒントがあるかもしれません。ご参考までに。

レジリエンスの心理学

 

読書が心を強くする理由:「心理的資本」を高める小説の力
本を読む時間は多くの人にとって自己投資の一つです。もちろん自己啓発関連の実用書には直接的な自己変革の効果が期待できます。また小説であれば、ストーリーの中に没入し、登場人物の感情や行動に共感する疑似体験によって、自己理解や成長のきっかけになります。私は、日本心理的資本協会認定の「PsyCap Master(心理的資本開発士)」として、読書は「心理的資本」を高める力を持つと考えています。ここでは、読書体験がどのように「心理的資本」の開発やアップデートにつながるのかを、自分の経験も交えながらお伝えします。

 

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ザックリ!「心理的資本」を知る~「HERO」という謎の力が見えた!?|ほりしん(レジリエンスの焙煎士)
(このブログではアフィリエイト広告を利用しています。) こんにちは。「レジリエンスの焙煎士」ほりしんです。 そしてPsyCap Master®(心理的資本開発指導士)でもあります。 なんせ「レジリエンス」は「心理的資本」の一つですから。 つまり「レジリエンスの焙煎士」兼「HEROのブレンダー(配合士)」、 といっても...

 

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