「管理職になりたくない」と思っているみなさんへ:キャリアアップは「出世」じゃない

世界一のボス 心理的資本ing

「心理的資本開発指導士 PsyCap Master」のホリシンです。

最近「管理職」になりたがらない若者が増えていると聞いたので・・・

「管理職」という駅を通過するだけ、と考えたらどうですか?

 

東京駅

最近「管理職になりたくない」と考える若者が増えているそうですね。

その背景には、責任の重さや労働時間の増加、ワークライフバランスの重視など、さまざまな要因があると思われます。

2023年の日本能率協会のインターネット調査によると一般社員の77.3%が「管理職になりたくない」と答えています。

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かつての私は全く逆で、「早く部長にならなければ」と焦っていた時期がありました。
クライアントミーティング

しかしいま長いキャリアを振り返ると、焦る必要は全くなかったと思いますし、もしそのとき管理職になっていなかったら別の道を歩んだだけだと考えられます。

そういう意味ではいまの若者たちが管理職になりたくないというのも考え方としてはあるのではないかと感じています。

但し、「管理職」という職務のわずらわしさから逃げているだけだとしたら、もう少し考える余地があるのではないでしょうか。

なぜなら、キャリアは一本道ではないけれども、「10年後の自分をどう描くか」という「心理的資本」の「Hope」は常に持っているべきだと思うからです。

「キャリアアップ」の意義は単なる社内の「出世」ではなく、社外へ出た時にも必要となる「マネジメントの経験」なのです。

そしてその経験に必要な「グロースマインドセット」と「心理的資本」の考え方を紹介します。


若者が管理職になりたがらない理由は?

「管理職になりたくない」と考える若者が増えている背景には、以下のような理由が挙げられています。

責任が重くなる

「プレイヤーとしての仕事は楽しいけど、マネジメントの責任を負うのは気が重い」という声はよく聞きます。管理職になると、部下の評価や育成、トラブル対応など、プレイヤー時代とは違う業務が増えます。「自分の成果」だけでなく「チームの成果」を求められることにプレッシャーを感じる人も多いようです。

仕事量が増え、ワークライフバランスが崩れる

特に日本では、管理職になると残業が増え休日にも対応を求められるケースがあります。「今の生活を維持したい」「プライベートを大切にしたい」という理由から、あえて管理職を避ける人もいるようです。

報酬のリターンが少ない

管理職手当がつくものの、仕事量や責任の増加と見合わないと感じる人もいます。昔は「管理職=高収入」のイメージがありましたが、いまはそうとも言い切れません。

上司を見て「なりたくない」と思う

「上司がいつも疲れた顔をしている」「理不尽な責任を押し付けられている」という姿を見て、「管理職になるのは損では?」と考える人もいます。

ふんぞり返る上司

「その日その日が楽しい」人生を優先したい

仕事よりも趣味やプライベートを大切にし、「出世しなくても楽しく生きられればいい」と考える人もいます。特に、終身雇用が崩れつつある中で「一つの会社で出世すること」にこだわる意味を感じにくくなっています。


それでも管理職を経験する価値はある

「管理職になりたくない」という考え方を尊重しつつも、あえて言いたいのは、管理職の経験は「出世以上の価値」を持つということです。

チームの中での自分の立ち位置や役割が明確になる

プレイヤーとしての仕事は、自分の成果を追求することが中心ですが、管理職になると、「チームとしての成果をどう出すか」を考えるようになります。これは、どんな職場にいても、どんな立場になっても役立つスキルです。

たとえば、転職した場合、新しい環境で「自分はどんな役割を果たせるのか?」を考える力が求められます。管理職を経験していると、その視点を自然と持てるようになります。

転職や独立にも役立つ

管理職の経験は、転職市場でも大きな強みになります。マネジメント経験のある人材は、市場価値が高いからです。また、将来自分で事業を立ち上げたいと考えたときも、人を動かす力、組織をまとめる力は不可欠です。

管理職を経験せずに独立すると、「いいアイデアはあるのに、チームをまとめられない」「部下が育たず、結局自分が全部やることになる」といった問題に直面することが多いのです。

10年後の自分をイメージする

「その日その日が楽しければいい」という考え方も素晴らしいですが、「10年後の自分がどうなっていたいか」 を考えることも大切です。

昔私は「部長になりたい」と焦っていました。でも、その後の10年で職階も職種もバラバラになり、「あのときの焦りはなんだったのか」と思いました。一方で、もしあのとき管理職を経験していなかったら、「チームを動かす経験」を持たないまま流されていたのではないかとも思います。

10年後の自分のために、今できる経験を積む。管理職になることは、その一つの選択肢だと考えています。


「グロースマインドセット」と「心理的資本」で乗り越える

管理職への不安を乗り越えるためには、「グロースマインドセット」と「心理的資本」が大きな力になります。

グロースマインドセット:成長の可能性を信じる

「自分はマネジメントに向いていない」と決めつけるのではなく、「今は苦手でも、経験を積めば成長できる」と考えることが大切です。

「グロースマインドセット」は2006年にスタンフォード大学で提唱された概念です。

人の能力や知性は固定的なものではなく、努力や経験によって成長できると考える「グロースマインドセット」と、能力は生まれつき決まっていると考える「固定マインドセット(Fixed Mindset)」の2つの思考パターンがあると提唱されています。

「固定マインドセット」(能力は生まれつき決まっている)ではなく、「グロースマインドセット」(能力は努力と経験で伸ばせる)を持つことで、「管理職になったら自分はどう成長できるか?」という視点を持てます。

新任管理職のみなさん、きょうからマインドセットを変えよう!
新任管理職のみなさん、昇格おめでとうございます。新たな役職につくことは期待や喜びだけでなく、不安やプレッシャーも伴うものです。私自身、入社20年目にようやく部長職に就いたとき、正直なところ同期との比較で「遅れている」と焦りを感じていました。しかしいま振り返ると、あのときの焦りは全く無用だったと感じています。そして「グロースマインドセット」や「心理的資本」という考え方を知っていれば、もっとポジティブにこの変化を捉えられたのではないかと思うのです。今回は、新任管理職の皆さんが昇格を「成長のチャンス」として捉え、前向きに行動を起こせるよう、「グロースマインドセット」と「心理的資本」の関連について考察します。

心理的資本:管理職への挑戦を支える4つの力

「心理的資本(Psychological Capital)」は2004年にアメリカのフレッド・ルーサンス(ネブラスカ大学教授)によって提唱された「ポジティブな行動を起こすための心のエンジン」です。

 

「心理的資本」を始めよう!内なる「HERO」に出合うとき
「心理学」と「経営学」の融合から生まれた「心理的資本」を知ろう!最近「心理的資本」(Psychology Capital)という言葉をよく耳にするようになりました。略して「PsyCap」(サイキャップ)とも言われます。「Hope」「Efficacy」「Resilience」「Optimism」の4つのリソースが「心理的資本」の中身です。それぞれの頭文字をとって「HERO」と呼ばれます。「心理的資本」は「心理」という言葉が使われていますが、特に経営学や組織論の分野で見かけることが増えました。「人材マネジメント」や「キャリア形成」に欠かせない概念として注目されています。

 

「心理的資本」の4つのリソースは、管理職に挑戦する際の大きな支えになります。

  1. 「Hope(希望、目標)」:「管理職として成長できる道を探そう」
  2. 「Efficacy(効力感と自信)」:「できることから始めればいい」
  3. 「Resilience(乗り越える力)」:「失敗しても学びがある」
  4. Optimism(現実的な楽観性)」:「長い目で見れば、経験がプラスになる」

管理職への挑戦を「リスク」と捉えるのではなく、「成長の機会」と捉えれば、不安は和らぎます。


まとめ:「管理職」という「職業体験」をしよう

管理職になることは、単なる「出世」ではありません。チームの中での立ち位置を知り、転職や独立にも役立つ経験を積むことです。

その日その日を楽しむ生き方も素晴らしいですが、10年後の自分をイメージしながら成長することもまた、一つの選択肢です。

オフィスで談笑

「管理職になりたくない」と思う人も、一度「それでも経験としてやってみる価値はあるのでは?」と考えてみてほしいと思います。

「心理的資本」を高め「グロースマインドセット」を持てば、きっと新しい「Hope」が見えてくるはずです。

(ホリシン)

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